美味しいマンディアンとフェアトレードの関係
- mieasystem
- 12 分前
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2025年1月18日、昨年に引き続きフェアトレードをテーマにした外国文化講座を開催しました。

なぜチョコレートなのか?
まんのう町国際交流協会では2022年12月の世界人権デーに合わせて、フェアトレードについて考えるきっかけとなる外国文化講座を開催したいと思っていました。
その時、ちょうどまんのう町のサニーサイドフィールズで、インドネシアの生産農家から直接仕入れたカカオ豆からビーントゥバーチョコレートを生産販売されている方がいると知り、八十川さんにお話をお伺いしました。(特設サイトはこちら)
身近な食品のチョコレートを通じて、フェアトレードを考えるきっかけとなった講座は大変好評をいただき、現在までつづく人気講座となっています。
2024年度はマンディアン作りを通じての講座となりました。
マンディアンは溶かしたチョコレートを薄く広げ、ナッツやドライフルーツをトッピングして固めたフランスの伝統的なお菓子です。
色とりどりのナッツやドライフルーツが、チョコレートの上に散りばめられ、見た目にも楽しめます。また、素材の組み合わせにより絶妙なハーモニーを生み出します。


溶かしたチョコレートに好きな具材を乗せるだけなので、比較的簡単に作ることができますが、その分、素材が味を左右するとも言えます。
まずはチョコレートの原材料であるカカオ豆について、八十川さんに教えていただきながら、カカオ豆生産農家の方とのつながりをお話していただきました。
皆さんは昨年、カカオの値段が世界的に高騰していたのをご存知でしたか?
ニュースで「カカオショック」というキーワードを聞いた方もいるかもしれません。

世界的なカカオの産地であるコートジボワールとガーナで異常気象が続いた後、さらにカカオの木を枯らしてしまうウイルスも流行ってしまい、カカオの不作が続きました。
カカオの入手先を確保するため、オーガニック(有機)農法の生産農家へ、大量仕入れの問い合わせが入るようになりました。
ビジネスチャンスのようにも思えますが、大量に生産するためにはあらたたな機器の購入や、農薬の使用が必要になることがあります。
しかし、これまでオーガニックでカカオを生産した土地で農薬を使ってしまうと、その先数年の間、オーガニックカカオとして販売できなくなってしまうリスクがあります。
また次年度以降も同じ価格と量を購入してもらえるという確約はありません。

しかし、大量に購入してもらえるなら農薬の使用も必要という判断をされる農家さんもいました。
ただ、今回八十川さんは少しずつフェアトレードが根付いてきていることを実感されることがあったそうです。自分たちの作るカカオの価値をきちんと認識され、長く継続して事業を行うために、オーガニックカカオのままで生産することを選択した農家さんもたくさんおられたそうです。
フェアトレードは、善意で行うものではなく、お互いをビジネスパートナーとして尊重し、価格面だけではなく、価値を高める技術など、お互いの利益を向上するための情報を交換し、信頼関係を築くことが非常に大事です。
長年、カカオ生産農家さんたちに価値を高めるための情報を提供し、一緒に良いカカオを育ててこられた八十川さんにとって、一時のニーズではなく、生産物の価値を守ることを選択した農家さんがおられたことに感激されていました。
もちろん、お手頃な価格でチョコレートを提供することは企業努力といえます。
ただ、その手頃な価格が、生産品の価値を不当に扱った結果でないように、どこから入手されて、どのような生産農家さんから仕入れられているのか、パッケージに情報があるか?
少し興味を持ってみてみることで、買い物の視点が少し変わるかもしれません。
少しずつ、一歩ずつ。
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